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3・11から10年を迎えて

佛母寺

更新日:2021/03/11 22:00

2011年(平成23年)3月11日(金) 14時46分18.1秒に発生した東日本大震災から10年が経ちました。
今日は本堂で静かに祈りの時をもち、慰霊とさせていただきました。
先代住職が岩手県陸前高田にあります長圓寺の次男だったこともありまして、この10年何度となく東北にうかがいました。

高野山真言宗では『高野山 足湯隊(こうやさん あしゆたい)』という集まりがあります。
足湯は「仏足頂礼」の心で、仏の御足を頂くように、被災者の足をとって洗わせてもらう。
それのみをさせていただく活動グループです。
支援者―被災者の関係ではなく、仏が仏に対するように、拝み合いであると。

「たいへんでしたね。」「お辛かったですね。」とも言わず、ただ温かいお湯に好みの香りのハーブを入れて 黙々と足を洗わせていただきます。
そのうちに「悪いねえ、足なんて洗ってもらっちゃって・・・でも温かくていい気持ち」と口を開かれ、ポツポツと悲しみを吐きだされます。
それをただただ傾聴するだけです。

避難所では全員が悲しみの体験をされていて、「あんただけじゃない。私も辛かったんだから。」と言われてしまうから、我々のようなよそ者になら言ってみようかなと思うこともあるんでしょう。

「あー、聴いてもらって気持ちが軽くなったわ」と笑顔で足湯所を後にされた方を、私たちは帰り道におみかけしました。
道端のお地蔵さまに向かって手を合わせ、慟哭されていました。体を震わせて大泣きされていたのです。

一緒に居た足湯隊の先輩が、
「そうだよ。我々がポッと来て、こんなにも深い悲しみを背負った人の心を癒せるなんてことはないんだよ。これが現実です。よくよく目に焼き付けて心に刻んでおきなさい。」とおっしゃいました。

被災地の気持ちになることは到底不可能です。
けれども彼の地に、人たちに、心を寄せ続けることが大切なことだと思うのです。

昨年から続くコロナウィルスで感染し、苦しい中で差別にあっている方もいらっしゃいます。
震災で学んだ「思いやり」「絆」を今一度思い出す時かもしれませんね。

体験した喜び、悲しみ、すべてのことを生かして歩んでまいりましょう。
まだ冷え込む日もあります。どなたさまもご自愛ください。 合掌
3.11を忘れない『津波てんでんこ』