今月のお言葉 

  10月のお言葉

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医王(いおう)の目には(みち)()れて皆 薬なり

 

 

解宝(げほう)の人は礦石(こうしゃく)(たから)と見る

 

                                  (弘法大師 空海 『般若心経秘鍵』)

 

 

 

 

 

 

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解説

 意味
「良い医者の目からすれば、道端になにげなく生えている草の中に薬草を見出し、宝石の専門家からすれば、いろいろな鉱石の中から宝石を見つけることができる」

ようやく秋らしく、月の美しさも際立ってまいりました。心地よい季節となりましたが、連日の報道に心痛めていらっしゃる方も多いことでしょう。
コロナ罹患者数に一喜一憂し、著名人の自死に「どうして?」「何があったの?」「気の毒に」と悲しみに同調していくことで、いつしかご自身の心が波立ち、苦しくなってはいないでしょうか?

私たちは、人や物事を見る時にどうしても、周りの評判や情報をうのみにして判断しがちです。昨今のSNS全盛時代においては、情報があふれ、あたかも見てきた真実のように語られているので、ついつい誤った見方をしていまいます。

前述の「医王」というのは、私たちを仏の教えによって心安らかに救ってくださることから、仏さまをすぐれたお医者さまに例えたものです。

仏さまの目からご覧になれば、「私なんて・・・」と卑下している人にも薬草のように役に立ち、宝石のようにキラキラとしたところがはっきりとご覧になれることでしょう。

混沌とした世の中で私たちが持つべきものは、色眼鏡をかけずに正しく物事を観察することであり、その為には知識の知恵ではなく、真実を見抜く『智慧』の灯りをもって自身を照らすことでしょう。

気持ちが上下すること、右に左に揺れることはままあることです。
そんな時どうしたらいいのでしょうか・・・それは「いつもの軸に戻ることです」

毎朝ジョギングをしています。毎日ストレッチをしています。お花を飾ることを欠かしません。仏壇にお茶をあげています。寝る前に般若心経を唱えています。人によって様々な日課(ルーティン)がおありかと思います。
そこへ戻る習慣をつけておくと、ハッと我に戻れることでしょう。

もし、そういう日課は無いのですが・・・とおっしゃるようでしたら、一番手軽に続けられることが「呼吸」です。

フーッと口から長く息を全部吐きだして、吸うは鼻から自然と入ってきます。新鮮な空気を「あ-体中に巡っているなあ」と意識してみましょう。これを気持ちが落ち着くまで何度でも繰り返す。
いつでもどこでも、たった一人でできる日課となるでしょう。

苦しくなったら、呼吸に集中してみる。
落ち着いた心には灯りがともることと思います。

秋の夜長、ご自身の内にある宝石を見つけてください。 合掌

 

 

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